活動のきっかけは?
発起人の一人である林剛平が震災直後の2011年にボランティア、放射能の調査で大玉村を頻繁に訪れていたことがはじまりです。その中で、農業を営む野内彦太郎さんと出会い、この場所から震災後の福島の暮らしを再考しようとなりました。
どうして大玉村で活動を行っているのですか?
福島県安達郡大玉村は、福島第一原子力発電所から約50kmの場所に位置し、2011年の原発事故で放射能汚染の被害があった一方、福島の中通り地区の中では比較的汚染が少なく、今後も人が住み続けることが予想される場所です。また、事故以後に近隣地域からの流入によって人口の増加が見られる稀有な地域である点や、安達太良山を背景とするその豊かな里山風景、首都圏へのアクセスのよさなどから、福島のこれからを生み出すに相応しい場所だとも考えています。
どうして藍の栽培をはじめたのですか?
大玉村は決して藍染で有名な村ではありません。そこは、豊かな土壌に澄んだ水が湧く、稲作が盛んな土地でした。しかし現在、原発事故や風評被害、また農家の高齢化を背景に、少なくない水田が荒地へと姿を変えつつあります。これに対し、放射能汚染や風評被害の影響を受けにくい新たな農産物として藍の栽培がはじまりました。
どのようなメンバーが参加しているのですか?
農業、建築、工芸、デザイン、ファッション、生態学、研究者などの多彩な専門分野を持つ人が集まり、各々の専門を生かす多角的な視点で活動を進めています。
活動の頻度や期間は決まっていますか?
約月1回。東京や京都など村外と、大玉村内および周辺から、合計20 名程度が集まって活動しています。
活動に参加するにはどうしたらいいですか?
歓藍社では、藍の栽培や染料作り、藍染に協力くださる方を随時募集しています。畑や庭をお持ちの方には、藍の種のおすそ分けを行っているほか、月一回の村での活動では、活動ボランティアを広く公募しています。
村の人たちとの関わりにはどのようなものがありますか?
毎回の活動に顔を出してくれる方や、収穫や葉っぱこぎなどの繁忙期に手伝ってくださる方々がいます。中心となる農家の方には、藍畑として農地を使わせていただいているほか、県外のメンバーが不在にしている期間の畑の世話(草取りなど)を実施いただいています。また、各々が所属するサークルなどで、藍づくりや藍染めの体験を段取り、村内外からの賛同者、協力者の誘致を行っていただいています。
建築の人たち(建築家や大工、建築学生)の関わりにはどのようなものがありますか?
発起人の林剛平が学生時代建築に取り組んでいたことから、建築にバックグラウンドを持つ多くのメンバーが活動しています。2018年からは、大玉村内に既存の民家を改修した藍の染め小屋を建設予定です。
商品の販売などは行っていますか?
栽培した藍で染めたシルクなどを使ったアクセサリーやインテリアなどを、首都圏や関西での催事を中心に販売しています。また、東京のデザイナーや職人とコラボレーションし、衣服やカバン等の商品開発、販売を行っています。