福島県大玉村で藍を育ててみよう

 

 

藍作り

 

 

大玉村は決して藍染で有名な村ではありません。そこは、豊かな土壌に澄んだ水が湧く、稲作が盛んな土地でした。しかし現在、東日本大地震に起因する原発事故の影響で、農村の抱えている問題が加速し、人と大地との繋がりが失われつつあります。

大玉村を初めて訪れ、村を雄大に取り囲む安達太良山の連峰を眺めた時、高村光太郎の「智恵子抄」のある有名な詩が思い起こされました。智恵子は「東京には空がない。安達太良山の上に広がる青い空こそがほんとうの空だ」と言います。わたしたちは、この一編の詩を頼りに、大玉村の休耕地で藍を育て”ほんとうの空の色”を作ってみたいと考えました。

2016年から本格的に始動した活動では、日本各地で行われている藍染めを研究することからはじめました。徳島、岐阜、宮城で藍を育てる人を訪ね、藍の育て方や染料の作り方を教わり、種を譲っていただきました。そうして、村で長年農業を営むメンバーを中心に、試行錯誤を繰り返しながら畑一面の藍を育てました。また、収穫した葉を寝かせ、藍の葉に住む菌とともに時間と手間をかけた染料づくりに取り組んでいます。

今改めて、農地で育った藍の色を布に移すことが、生産と消費の関係、農村と都市の関係を見つめ直す糸口となると考えています。わたしたちの試みは、今はまだないけれども、近い未来の大玉村に当たり前のように存在する、地域生活の風景を想像することです。染めるたびに深みを帯びる藍のように、生活者と大地との繋がりが再び、だんだんと深まっていくことを願っています。

 

 

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歓藍社とは

歓藍社とは、小さな技術による暮らしの提案とその実践を行う団体です。福島県大玉村にて、農業や建築、服飾や工芸、生態学など、暮らしにまつわる様々な専門性を持ったメンバーが、およそ月に1回のペースで日本各地から集まり活動しています。2016年からは、農業従事者の高齢化や原発事故などを背景の一つとして生まれた村内の休耕地で、藍の栽培とその染料づくり、藍染めを開始しました。

私たちは、畑仕事や藍染めといった共同作業を通じ、里山における生活風景を眺めては次の手を考え、この運動の継続と発展を試みています。また活動を常に公開し、月1回の活動のサポーターや、藍の栽培、染料づくりの輪に加わってくださる方を広く募集しています。

 

寄付について

歓藍社へのご寄付は、活動運営にまつわる資金に活用させて頂きます。(農業資材や素材の購入、染め場の整備費等)下記口座にお振込の上、メールにてご連絡ください。

お振込先:ゆうちょ銀行 〇八八支店(088) 普通預金 1688878

口座名義:歓藍社(カンランシャ)

メールの送り先:info@kanran-sha.net

 

現金以外の寄付、寄贈について

歓藍社ではさまざまな形での寄付を承っています。藍の栽培にまつわる農業資材や染め場の整備にまつわる建築資材、染めにまつわる素材などの寄付について、個別に対応させて頂いております。メールにてお問い合わせください。

メールの送り先:info@kanran-sha.net

 

伊藤浩子_東京と福島

 

メンバーについて
農業、建築、デザイン、服飾、工芸、生態学など様々な専門性を持ったメンバーが共に活動しています。

メンバー一覧(2018年7月現在)

野内 彦太郎 / 農家

後藤 節子 / 農家・せっちゃん工房

伊藤 浩子 / 農家

林 剛平 / 生態学者

はしもと さゆり / お直しデザイナー

佐藤 研吾 / 建築家

鈴木 英怜那 / デザイナー

渡辺 未来 / 服飾デザイナー

渡辺 崇徳 / マッサージ師

荒木 千晶 / 工芸家

青島 雄大 / 大工

宮下 成平 / パン屋

下村 史 / 工芸家

河原  伸彦 / 関節家

瀧本 信幸 / 構造家

石田 祐也 / 都市デザイナー

国枝 歓 / 建築家

川田 諒一 / 空間演出家

藤下 彩 / 脚本家

香取  輝 / 工芸家

松木 直人 / チャイ屋

須貝 孝太 / 焙煎家

コムラマイ / カメラマン

金子 遥洵 / Motivation Maker