オンラインメディア、TABI LABOに掲載いただきました。
(以下、冒頭部分抜粋)
智恵子は遠くを見ながら言ふ。
阿多多羅山の山の上に毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だといふ。
これは、高村光太郎の『智恵子抄』の中に収められた「あどけない話」という作品の一節。阿多多羅山とは、現在の安達太良山のことで、日本名百山にも選ばれた美しい山です。
智恵子に空を美しく見せたのは、その雄大な自然だけではなく、その麓で暮らす人々の営みの温かさ、自然と共生する生き方も影響していたのではないでしょうか。
そんな安達太良山を望む、福島県大玉村。美しい田園風景が広がり、自然と結びついた村でした。
しかし、2011年3月11日の東日本大震災とそれに伴う原発事故により、多くの水田が休耕地へと姿を変えました。
その休耕地で今、染料である藍を育て、智恵子が愛していた「ほんとうの空」を藍染めでつくるためのプロジェクトが始まっています。
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