(下村)藍染体験だと思っていた。

姉伝えに大玉村の話を聞いたときは、藍染体験だと思っていた。大塚ビルで詳しく話を聞くと想像よりもはるかに大きなプロジェクト。藍を種から育てて、藍の里を作ろうとしている。難しい事はよく理解してなかったけど、なにかすごいことを始めようとしているんだと思った。大学生になりたての私はなにができるんだろう、場違いじゃなかったかな、と思いつつも勢いで参加した。

初めての福島県。私の実家は熊本県との県境にあるため、熊本地震以降、身近な所が被災地になっ た。大玉村と状況が似ているようで、似ていない。のどかな風景が広がる魅力的な大玉村は5年もあれば、農業を活かして復興してもおかしくないはずなのに。どんなに他の場所より放射線が低いと言っても、「福島県産」というだけで、敬遠されるのだろう。放射能さえ無ければ、と思ってしまう。 そんな中、ひこハウスに集まった地元の方々は、負けないで何か新しいことを村で始めようとしている。藍を育てることにとても積極的だった。このプロジェクトで村を動かしたい。そんな気持ちが話し合いを通して伝わってきた。 参加してよかった、知識も経験もない私に何が出来るか分からないけど、これから学んでいけばいい。自分にできることを探して、役に立ちたい。

帰りのとんかつ屋での話し合いにただ頷いて聞いているだけだった。どう思う?と聞かれても、思いついた案の経費や労力がどれくらいかかるのか目安すら立てれず、製品としての藍染を考えるこ とが難しいかった。 知識が欲しい、勉強しないといけない。経験豊富な大人たちに混じっている限り、知識がないと話についていけないままになってしまう。まずは藍染について勉強しようと思った。

種植えで余った種と土を持ち帰り千晶ちゃんと学校で育てている。毎日藍の成長を確認できることは、大玉村の藍に何か役立つはず。染織の教授にヒントだってもらえる。担任が染織の教授で本当によかった。今の私の強みは学べる環境にいることくらいだろう。

探り探りの大玉村のプロジェクト。 何ができるか分からないけど、私なりに学んで行動していきたい。